全ての存在には一つ一つの「物語」がある。その物語が交錯して、この世界が成り立っている。
さぁ、始めよう。まっさらなページから始まる、長い長い鉄路の物語を。
全ての存在には一つ一つの「物語」がある。その物語が交錯して、この世界が成り立っている。
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こことはそっくりだが少し違う世界に存在する、モノを擬人化した存在。
路線や企業といった概念的な存在のフレンズもいるが、都道府県や市区町村は人工物ではないのでフレンズは生まれない。
人間にそっくりだが、不思議な能力を使える、再生能力が高い(それ以前に怪我をしない)、成長が極端に遅い(機械系のフレンズなら経年劣化により少しずつ加齢するが、それでも人間と比べれば遅め)等の相違点がある。
基本的にフレンズを傷付けることは不可能だが、原型が損傷するとフレンズの肌にも傷跡が増えていく。中には肌がガラスや鏡のようにひび割れることも。
フレンズは能力を使って姿を隠さない限り人間の目に見える。そのため彼らは人の世に紛れ、人間と同じように暮らしている。
食事や睡眠は一応するが、あくまで娯楽に近い。ただ全くしないのは流石にストレスが溜まるようで、ほぼ全員行う。食事をした場合であれば排泄もする。
元は器物なので性別自体が存在しない。性別は本人の自称であり、外見の性別も本人の性自認に引っ張られる傾向があるが、男性の姿でも髭は生えない、女性の姿でも胸は大きくならないと性分化自体は非常に小さい。
恋愛感情は僅かながら持ち合わせ、人間と交際することも極稀ながらある。だが子供を為す必要がないので性欲は持たない(「そういうこと」用の部位は存在しないし機能もない、無理矢理しようとしても吐き気に駆られる)。一応兄弟姉妹といった関係は(自称ではあるが)存在する。
なお、外来語が存在しない時代(明治時代以前)は「化身」「ヒトガタ」「マレビト」などのように、地域・時代によってやや表記揺れが発生していた。
駅・路線・道路は開業した時に、車両は運行開始した時にフレンズが現れる。路線が分割された時は、片方が新しく現れ、元いた方がもう片方を担当する。
もちろん誕生日の扱いは開業日もしくは運行開始日。
車両や船舶も、形式名では唯一となるためフレンズが生じる。車両の場合、改造などによって別の名前へと変じると別個体が生じるが、譲渡・転用で形式名が変化する場合はそのまま。
成長自体は人間と比べて非常に遅い。
廃止・解体されたフレンズの末路。
廃止日の日付が変わる時や解体された瞬間、フレンズは跡形もなく消滅する。そうして、その意識は夢の世界へと転移する。
なお、路線が併合された場合や静態保存の場合は、元が廃止・解体されているわけではないため消滅しない。同路線・道路が分割される場合、元いたフレンズは消えずにもう一方が分化する。
駅や企業の場合は元あった物が無くなっているため合併でも消える。
フレンズの霊体のような存在で、消滅したフレンズの残留思念(つまり幽霊みたいなもの)。「意識体」とも呼ばれる。
基本的に夢の世界に溶け込んでいて実体化できないが、現実に遺構が残っているフレンズ、もしくはあまりにも強い未練を抱いたフレンズは自由に実体化及び現実と行き来可能。
人間には全く見えず、殆どのフレンズからも視認出来ないが、強い霊感を持つフレンズ(主に寺社参詣のために作られた路線や最寄駅)は見ることが出来る。また、現役時代に強い繋がりを持っていたフレンズも視認可能となる場合がある(全員が全員ではない)。
半透明で足先は更に透けている。暗闇では青白く光る。空中浮揚も出来る。物質に触れることは出来ないが、あまりに分厚すぎる物質も通り抜けられない。
意識の感知度合はフレンズによって異なり、見えて会話までできる、声だけ聞こえる、見えるが会話不可、気配を感じ取れるだけ、触れられるなどの多くのパターンが存在する。基本的に神社仏閣が近くにあるフレンズ程、意識の認識能力が高くなる傾向にある。
中には特定個体の意識しか認識できない例もある。このパターンは「認識の素質はないが、その意識が生きていた頃交流があった」というもの。
所謂生まれ変わりで、意識が生きて夢の世界から出る方法。主に「またフレンズとしてやり直したい」と強く願うことで発生する。
大まかな顔つきは一緒だが、髪色や瞳色が駅舎や路線の色に併せて変わることもある。能力は同じものを使える(車両になる場合は失う)。
パターンは駅→駅、駅→路線、路線→路線、路線→車両、車両→車両、道路→道路。
記憶を保持するかどうかはまちまち。位置が同じであればかなりの内容を覚えている。カテゴリーが変わってしまうとやや忘れる。
転生に近いがやや異なる概念。意識が生きているフレンズに憑依することで、疑似的に転生する方法。
基本的には原型が一時期共存していたフレンズ同士で行われる。見た目や性格をどちらに寄せるかは自分達で決められる。
お互いの利害が一致しないと契約とは言わず、ただ無理矢理憑依しただけでは単なる乗っ取りである。
合併された路線や車両の引退は消滅しない。併合された側はその時点で成長が止まる。宿舎から出て独り暮らしをすることがほとんど。まれに同居している。
再就職はいわば「生きて記憶を保持したまま転生」。殆どは車両への再就職となる(ごく稀に路線)。再就職前への姿へと切り替えは可能。また引退すれば元の姿へと戻る。能力も同じ。
基本的にフレンズ一人に一つ備わる不思議な力であり、純粋な人間ではないことの証明。肉体を強化する、何かを操る、精神に干渉する等、種類は様々。
能力には制御の可否がある。制御可能の能力は自分ないしはその近く(触れている物体など)にしか使用が出来ない。常時発動型で本人の制御が利かないものはある程度有効範囲が広い。
ちなみに鉄道車両などの機械がモチーフのフレンズは、人間離れした力が備わる代わりに基本的に能力を持たない。
鉄道黎明期のフレンズが作った組織。当初は人間の監視を目的とし、戦時中は積極的な干渉も行ったが、戦後しばらくしてからはその意味も薄れ、現在はフレンズの共助組織となっている。
一応「Trailways」というひとつの組織名を名乗ってはいるが、会社や路線ごとにある程度派閥がある。全員が全員仲良しなのではないのである。
Trailwaysに対抗して道路のフレンズ達が作った組織。「自分達は本当に旧街道と同一の存在なのか」「その記憶を取り戻すにはどうすればいいのか」ということを探っている。
Trailwaysとは対立したり利害の一致で協力したりとちょっと複雑な関係の模様。
フレンズ達の住む家。基本的に本社や車両基地に併設されていることが多い。世間ではマンションや社宅ということになっている。誰が何の家事をやるのかはシフト制。
フレンズは一人一つ異なる武器を持つ。
夢の世界で能動的に出現させ、異変を退治するときに使う。起きる時に持っていれば、現実に持ち込むことも可能。
戦時中のフレンズはこれで大暴れしたとかしてないとか。
読みは「しんかくしょう」。フレンズの心にあたる器官。
本体にあたる「外殻」と、中心に入っている球状の「コア」の2パーツに分けられる。色はフレンズごとに違うのだが、転生前後でも色が変わることもある。
原型に対する人間の思い入れが結晶化した概念的な石のため、割れると破片を繋がない限りフレンズの記憶は消える(破片をくっつければすぐに元に戻る)。
フレンズが消滅してもこれだけは残るのだが、元となった器物が人間に忘れ去られると粉々に砕け散り、フレンズは完全に死ぬ。
後述する限界突破に覚醒したフレンズは、これを握りしめながら楽しかった出来事を強く念じることで限界突破を発動できる。
フレンズの肌こそ器物のように硬いのだが、一応血液は存在する。主に原型の損傷・利用者減少で怪我したり吐血したりするほか、寒い日には霜焼けになる。
これは、人間にとっては薬であり毒でもある。人間が一定量取り入れた場合、擬似的な不老不死が実現し(出力は落ちるが)能力も行使可能。
しかし、そのフレンズの原型が損傷すれば怪我を負うほか、消滅すると血を取り入れていた期間だけの時間が肉体に一気に訪れ、本来の寿命を超過すると即死する。
あくまで飲んだ人間の意志でのみ行使できる力であるため、抵抗する相手に血液を無理矢理飲ませたとしても効かない。
文字通り、フレンズの夢の中に存在する異界。フレンズが眠ると転移する。人間はおらず、ここに元々存在するのは異変のみ。
ちなみに夢の世界で眠れば、フレンズも普通に夢を見る。
夢の世界に蔓延る、黒っぽい影か靄のような存在。正体は負の感情の高エネルギー体。現実で事故や負の感情が増えると共に異変も力を増す。
感情を取り込む為に、意識のフレンズに憑依して異変化を引き起こすこともある。
強い感情に満たされたフレンズに異変が憑依して起こる現象。異変化すると髪が黒か白に変色して、体に異変が纏わり付く。
異変は肉体ではなく感情そのものに取り付いている為、意識となったフレンズが異変化の対象。現役のフレンズにも発生したと勘違いされることもあるが、大抵は思い違いによる誤認。
元に戻すには、ある程度攻撃して異変を弱らせたあと、説得して改心させる必要がある。ただし心核晶が完全に侵食されてしまうともう助からない。
もうひとつの感情の使い方にして、フレンズの覚醒。
異変化とは逆に、正の感情が昂ると起こる現象。髪の毛が伸びる、衣装が豪華になる、能力の出力が大きくなる等、異変化と比べて変化が著しい。
なお、発生させるには自身の正体の真実と、己の弱さを受け入れなくてはならない。
限界突破すると発生する結界。限界突破すると、周囲がフレンズの気持ちを反映した背景へと変化する。これは「心象世界」と呼ばれ、敵を閉じ込める、能力を最大限活用できるようになるといった効果を発揮する。
複数のフレンズが限界突破を使うと力が影響し合い負担が大きくなってしまうため、原則限界突破は一度に一人だけ使うのがセオリー。
なお、まれに異変化でも発生する。
↓ネタバレ注意(反転)
フレンズの正体は、若くして死した後に甦った人間を核とした記憶装置。人間の手で復活させたのではなく、この世界の摂理としてである。
絆や因縁を築いているフレンズは、大概が生前に絡みのあった者である。また、彼らの生前はフレンズとなってからの境遇と似通った物が多い。
フレンズへと転生する際に人間の記憶は完全に消えるが、極稀に何かしらのショックで思い出すことがある。
また、フレンズの原動力は希望や原型に対する良い思い入れである。一方で異変は人の憎しみや怨みの具現化であるため、感情が元ということではある意味で表裏一体の存在でもある。フレンズが異変を倒せる分、影響されやすいのもそのため。
なお、自らの正体を理解することができたフレンズは心核晶を知覚し、「限界突破」を使用できる。
フレンズを作り出した謎の存在。人間のような見た目をしていて「無機物を統べる存在」を自称しているが正体不明。
フレンズのことは「人の形をして人を騙る存在だから」という理由で「ヒトガタ」と呼ぶ。その他「子供達」という呼び名も使うほか、人名ではなく原型の名前でフレンズを呼ぶ。
心核晶からフレンズを生み出し、その気になればそれを壊してフレンズを完全に殺すことも可能。
©2022 幻想鉄路奇譚